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- 奥 一穂の飲んでから書くブログ。なにもかもアルコールのせいです
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多くの日本人は、携帯電話で一番進んでいるのは日本だと思っている。現状の理解として、これは正しい。しかし、5年後もそうなのだろうか。
今夏、アメリカで開催された携帯電話関連のカンファレンスに参加した。その場で感じたのはスマートフォンの勢いだった。さまざまなメーカーが Windows Mobile を搭載した電話を展示していたし、マイクロソフト以外にも Palm や Symbian, Blackberry といった OS ベンダがソフト開発を呼びかけていた。 これら汎用 OS を搭載したスマートフォンには、日本の携帯電話にない良さがある。それは、ソフトウェアで可能なことの範囲がはるかに広いという点だ。たとえば IM を常駐させてメッセージをポップアップさせたり、標準の電話帳を置き換えたり。携帯電話間の P2P だって実現可能なのである。新しい可能性を追求する環境という点では、日本は後塵を拝しているのだ。 NTT ドコモ (および AU) は、携帯電話アプリの API を自ら企画決定し、対応ケータイの普及とアプリの増加を両輪で廻す、というビジネスモデルで成功してきた。しかし、既存の収益モデルを維持しながらの作業である以上、アプリでできることは、どうしても制限される傾向にある。また、ユーセージモデルを設定してから設計するため、最大公約数的な API にならざるを得ない。 ここで思い出されるのは、シリコンオーディオプレーヤー (HDD オーディオプレーヤー) 市場でのソニーの失敗だ。グループの CD 販売とのバランスを取ろうとした結果、最良の商品を提供できなかったソニーは、市場を Apple や iRiver といった新規参入組に奪われてしまった。 これと同様のことが、携帯電話市場でも発生するの可能性がある。 と、ここまでが理論的な話。机上の空論に見えるかもしれない。しかし、ソフトバンクやイーアクセスといった、これから携帯電話事業に参入する企業は、この点を突いてくるだろうと、私は考えている。 たとえば、企業向け市場について。NTT ドコモの DoJa で実現不可能なこととして、携帯電話へのグループウェア統合がある。携帯電話の電話帳ボタンを押すとサイボウズのアドレス帳が出たり、ノーツのメッセージが携帯電話に着信したり。Windows Mobile や Palm OS なら、こういった機能は簡単に実現できる。 ソフトバンクが、グループウェアに統合可能なスマートフォンを武器に企業向け市場に切り込んできた時、既存キャリアに対抗するすべはあるのだろうか。
by kazuhooku
| 2004-12-01 20:49
| 雑想
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