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誰がための著作権譲渡か (その 2)
[- 神か悪魔か - GNU の見えざる手 : 目次]
この記事は、「神か悪魔か - GNU の見えざる手」の一部です。他のエントリとあわせてお読みください。

予告:本論は追記・訂正・取下を検討中です

 先の記事「誰がための著作権譲渡か」で、 FSF への著作権譲渡契約において、FSF の使用権を GPL に限定していない注1ことを指摘した。
 ここでちょっと視点を変えてみる。著作権譲渡契約には、以下のような問題もあるのではないか。

 FSF が破産したらどうなるのだろう。FSF が著作権を保有するソースコードの著作権は競売にかけられるか、債権者の手に渡るのではないか。

 著作権譲渡契約において、FSF の使用権が GPL に基づく配布に限定されていれば、 FSF が破産したとしても何の問題も生じない注2
 しかし、実態は異なる。先に指摘したように、 FSF の使用権は BSD 様のものである。つまり、FSF のソフトウェア資産を取得した者は、それをプロプライエタリソフトウェアに組み込んだり、第三者に組み込む権利を販売したりすることができるのである。

 実際問題としては、 FSF が特許侵害訴訟 (あるいは著作権侵害訴訟) に敗訴しても注3 IBM 等の企業や世界中のユーザーから支援が得られるだろうから、FSF が破産する可能性は低いだろう。

 しかし、最初から (FSF に著作権を譲渡して) 資産を集中させたり、(不必要に大きな権利を FSF に譲渡することで) 資産価値を増大させたりする必要はないのではないか?

 資産がない団体は、誰も訴えないだろうし、たとえ破産しても、ユーザーコミュニティで安価にソフトウェアの著作権を買い取れるわけだから。


 この論について、間違いがあれば (あるいはなんらかのエスクローが存在するのであれば) 、指摘してほしい。

注1: 「譲渡されるソフトウェアが公開されているところのライセンス条件に制限していない」というのが正確な表現
注2: GPL の新バージョンを作成できなったり、 GLIBC のライセンスを GPL に変更できなくなる程度か
注3: 上級審で係争中ですが、 eolas がマイクロソフトに勝訴したようなケースを考えています

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by kazuhooku | 2005-02-01 13:33 | GNU
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