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オープンソースソフトウェアとコモディティ化
ここ十数年で見てきた急進的な革新をすべて挙げると、それはオープンソースから生まれたものではありません。オープンソースは何かと言うと、コモディティ化を進める優れたエンジンです。
 「オープンソース界出身のMS幹部」の発言。一見、正しそうだが、あいまいで不正確な発言だと思う注1。逆に、

ここ十数年で見てきた急進的な革新をすべて挙げると、それはマイクロソフトから生まれたものではありません。マイクロソフトは何かと言うと、コモディティ化を進める優れたエンジンです。
と言ったほうが、より当てはまるのではないか (笑)
 「急進的な革新」なんて、滅多にないものなのである注2

 そもそも、オープンソースソフトウェアは「コモディティ化を進める優れたエンジン」なのか?

 ソフトウェアのコモディティ化という点では、マイクロソフトは絶大な役割を果たしてきた。オープンソースソフトウェアがその代替になれるとは、私には思えない。現状のオープンソースソフトウェアは、「ソフトウェア技術のコモディティ化」であって、「ソフトウェアのコモディティ化」ではないからである注3

 このことは、Excel や Access のマクロ作成業と LAMP 系の開発業を比べてみると、よく分かる。マクロ作成業における問題は、いったん納品してしまうと、顧客が自分でマクロをカスタマイズして使い出してしまう点である。マイクロソフトの製品は、エンドユーザーが使いやすいよう作られていて、ハードルが低い。逆に、同様のものを LAMP で作成した場合、顧客が自分でカスタマイズすることは、まずない。難しすぎる。バージョンアップの仕事は、ISV のところに戻ってくる。

 開発コストを抑える一方で、顧客には自由を与えない注4。むしろ、オープンソースソフトウェアは「ソフトウェアのコモディティ化を押しとどめるブレーキ」と言うべきなのではないか。

注1: インタビュー形式の記事である点は、割り引いて批判すべき
注2: OSS 系の「急進的な革新」もあると思うけど
注3: 一方で、OSS に「フリーライド」する ASP が、「サービスのコモディティ化」を推し進めている
注4: LLDN を見ていても技術的おもしろいフレームワークはいろいろあるわけで、そんな中 Ruby on Rails が騒がれる理由はは、こういう業態にマッチしているからなんじゃないですかね

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by kazuhooku | 2005-09-08 10:09 | 雑想
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