「ほっ」と。キャンペーン
kazuho.exblog.jp - 奥 一穂の飲んでから書くブログ。なにもかもアルコールのせいです
固定化するIPアドレス、そしてブログパーツとプライバシー
 サイドフィード株式会社から「あわせて読みたい」というサービスがリリースされていておもしろい (Broadband Watch の紹介記事)。たとえば、本ブログの「あわせて読みたい」を見てみると、納得感と新しい発見の混ざった結果が出てくる。

あわせて読みたい

 同社の説明によると、「あわせて読みたい」は、様々なブログへのアクセスをブログパーツを用いてサイト横断的に集計することで、オススメのブログを抽出しているらしい。技術的にはどうやってるのかな、と思って HTTP ヘッダを見てみたんだけど、クッキーを使ってるのではないっぽい。ということは、IP アドレスベースのトラッキングなんだろう注1

 このあたりで気になるのは、サイト横断的な情報を収集することをユーザーに告知しているのか (あるいはすべきなのか) というところ。ここで言うユーザー=ブログの読者なので、言い方を変えると、この手のブログパーツを貼っているブログが読者にプライバシーポリシーを提示すべきかどうか、ということになるのかもしれない。なんとも非現実的な話。

 クロスサイトのユーザートラッキングについては、まだネットバブルだったころ、DoubleClick 社あたりがいろいろ問題視されていた経緯があって、まだその残滓をネット上に見つけることができる。

しかしこの技術が悪名高い DoubleClick 社によって乱用されました。その手法は、彼らのサーバからさまざまなバナー広告を表示し、それらのサーバからクッキーを設定、読み込むことでユーザのサーフィングを追跡するすることです。 (中略) DoubleClickは、数千ものWebサイトに広告を持っていて、それらの各広告は自身のサーバから呼び出され、クッキーを設定、読み込みを繰り返すことで、ユーザがどこにいるかを把握することができるシステムを構築することができました。

先にも述べましたがクッキーは、スパイウェアではありません。しかしクッキーの技術を乱用したこうしたシステムは、ユーザの嗜好の監視、プライバシの侵害であることは確かです。

しかし、こうしたことから自身を守る方法はすでにあります。

以下に追跡クッキー (サードパーティ クッキー)を回避するためのブラウザの設定を紹介しておきます。(後略)

スパイウェアガイド :: スパイウェア ノート

 で、技術史的には P3P の制定につながっていくんだけど、P3P やブラウザの設定で拒否できるのは相手が Cookie だからであって、IP アドレスによるトラッキングはオプトアウトしようがない。この点、昔は IP アドレスが固定的でなかったから問題視されなかったってことなのだろうか。

 大手のイーコマースサイトが同様のことをやりだしたら反発する人も多いんじゃないかな。購買情報を組み合わせることで、個人をほぼ特定した嗜好分析ができるわけだし。「あわせて読みたい」みたいなサービスは有意義だと思うだけに、バックラッシュは見たくない。

 逆説的だけど、今後この手のサービスを始める場合には、トラッキングに IP アドレスではなく Cookie のみを利用する(なおかつそれを明示する)ようにすることで、ユーザーに拒否権を与えるというのもアリなのかな、と思った。ついでに言うと、そのほうがトラッキングの精度も向上する。


注1: 同社説明の「直近約24時間で共通の読者率が高い」および「※ Cookie は使っていません」という表現から、RSS フィードの購読情報のような静的な情報ではなく、より動的な情報を得られるアクセス解析を行っているのではないかと考えました。いずれにせよ本論の趣旨にはかわりありませんが、この点、もし誤解だったら申し訳ありません。
[PR]
by kazuhooku | 2007-06-14 09:49 | 雑想
<< exblog ではてなスター Google Gears を ... >>