kazuho.exblog.jp - 奥 一穂の飲んでから書くブログ。なにもかもアルコールのせいです
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ペアプログラミングのメリット
 ペアプログラミングってどんな意味があるんでしょう。単に食わず嫌いなんですが、メリットがわかりません注1
 
 個人的には、ペアプロは別の問題を隠蔽するだけだと思うのです。ペアプロにしたら生産性があがるなんてのは、

1) 開発者のスキルが低い
2) 開発言語/環境が悪い
3) 全体設計が悪い

のどれかなんじゃないかと思っています。

注1: 全ての適用分野について議論を展開する気はありません。ウェブ開発について考えています

2005/09/06: 大岩氏のブログにて、上の3条件に当てはまらないケースの体験談が出ています。
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by kazuhooku | 2005-08-30 14:13 | 雑想
「イノベーションのジレンマ」で読むインターネット広告
 AdSense / Overture というコンテンツマッチ型の広告配信技術を「イノベーションのジレンマ」で説明するのは面白い。

以下の話は、ケーススタディをしたわけではないので、事実関係に誤認が含まれる可能性があります。ただ、大筋としてはあっているのではないかと。
 コンテンツマッチ型広告技術が登場した当初注1、ダブルクリックの牙城は安泰のように思われた。AdSense / Overture は、従来、広告を表示するすべを持たなかった中小のウェブサイト向けのサービスであり、また、テキストのみであるという点で、バナー広告に見劣りしたからである。ダブルクリックは、ローエンドに進出するのではなく、より単価が高い、 Flash 等を利用するリッチメディア広告の拡大をもくろんでいた。
 しかし、しばらくすると、 AdSense でもバナー画像を配信できるようになり、また、上位市場である大手ウェブサイトも、これらコンテンツマッチ型の広告配信技術を採用しはじめた。
 一方、ダブルクリックが目論んだようには、リッチメディア広告市場は拡大しなかった。同社は身売りしてしまった。

 これは、「イノベーションのジレンマ」が言うところの、新市場型の破壊的技術破壊的イノベーションがメインストリームをオーバーシュートしてしまった従来の支配的企業を破滅に追いやってしまう、生きた事例のように、私には感じられる。

 では、今後、インターネット広告市場はどうなっていくのか。

 ダブルクリックが退場しつつある今、 Google および Yahoo! の低コスト戦略は意味をなさなくなってきている、という点に注意すべきである。両者は、もはやコスト的な優位性をもたない。さらなる拡大を図るためには、利益を削るしかないのである。



注1: 配信枠の確保、広告の確保、配信先のマッチングの自動化、といったあたりが、コンテンツマッチ型広告技術のイノベーションかと思います

2005/08/31 Bee さんの指摘により、「破壊的技術」を「破壊的イノベーション」に修正
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by kazuhooku | 2005-08-25 21:40 | 雑想
Google は生き残れるのか?
 Life is beautiful さんや Speed Feed さん、パースペクティブ・アイさんあたりで、マイクロソフトへの悲観論、あるいは、対比的に Google を高く評価する論が出ている。

 しかし、将来を一番悲観すべきは、 Google ではないのか。

 いずれコモディティ化していく中で高収益を得、基盤の拡大を図るためには、なんらかの独占市場が必要となる。

 マイクロソフト、Yahoo!、Amazon といったプレイヤーには、いずれも肥沃な後背地が存在する。つまり、これらの企業は、根拠地を確保した上で陣取り合戦をしているわけである。

 しかし、 Google に後背地はない注1。四面楚歌の中、検索や AdSense といったサービスから利益が上がる間に次の市場を見つけなければ、未来はない。

 Google ももちろん分かっていて、だからこそ、図書館のデジタル化といった、独自コンテンツの確保に躍起になっているのだろう。しかし、特効薬はあるのだろうか。

 昨今、 Google の無線 LAN サービス参入が噂されている。ユーザー囲い込みのための初期投資に必死になる Google の立場は、日本におけるライブドア程度のもののように、私には思える。

8:58 追記
 報道されているように、 Google が電話分野を押さえることができれば、他のプレイヤーと対等に戦えるようになるかもしれませんね。

8月25日追記
 AdSense の収益性については、『「イノベーションのジレンマ」で読むインターネット広告』に書きました。あわせてご一読いただければ。

注1: 技術力でのしあがった新興企業だから当然なのですが。
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by kazuhooku | 2005-08-24 06:18 | 雑想
よいフレームワークは、アプリケーションの可能性を狭める
 良いプラットフォーム注1とは、その上で動作するアプリケーションの可能性を狭めるものではないか。

 昨年末、マーケティングの側面から MovableType と Zope の関係を論じたが、両者をフレームワークという側面から比較するのもおもしろいと思う。
 MovableTypeは、Zope のように自由にコンテンツを配置することはできない。そのかわり、タグを気にせずに、テキストを系統立てて発表することができる。

 PHP にしても然り。プログラミング言語としては問題が多いが、ウェブの開発に必要な機能が組みこまれているため、 Java, Perl, Ruby といった汎用言語にはない、とっつきやすさがある。

 皆の要望に 80% 応えるかわりに、一部を切り捨て、大多数のユーザーの要望に 100% 応える。

 そういう視点にたつと、まだまだなすべきことがある。などと考えながら、仕事をしています。

注1: プログラミング言語やフレームワークについて考えています
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by kazuhooku | 2005-08-18 20:56 | 雑想
会社でブログをはじめました
 Kazuho@Cybozu Labs

 純粋に技術的な話題は会社のブログへ移行しますが、刺激的な話題はこちらで引き続き考えていきたいと思っています。
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by kazuhooku | 2005-08-18 20:53 | 近況
サイボウズ・ラボに入社しました
 詳しくは、「サイボウズ・ラボに入社した世界的プログラマの抱負と横顔」(@IT) をごらんください。
 個人としてやりたいことは決まっていて、現在、「どうやるか」を周囲の方々に相談している状態です。うまくいくといいな。

 今後とも、よろしくお願いします。
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by kazuhooku | 2005-08-18 03:14 | サイボウズ・ラボ
はてなポイントの cheating
実際には、問題は全くないか、あってもごく軽微だと考えています。念のため。
また、 Google AdSense 等においても同様の議論が可能であり、特にはてながどうこうというわけでもありません。

 素朴な疑問。仕様をぱっと見ただけなので、間違っていたらごめんなさい。

 はてなポイントって、naoyaのはてなダイアリーによると、送り先の ID は microformats で処理しているようですが、これだと wiki とかで、他人の記事からポイントを詐取することができたりするんじゃないでしょうか。

 HTML のタグをブラックリスト形式で弾いている wiki がどれだけあるかにもよるけど注1

 「みんなで書いた記事なのに、あいつ自分の ID 埋め込んでポイント奪いやがって」

みたいな話は起こるんじゃないかなぁ。

注1: なければ問題ないんですが。実際のところ、どうなんでしょう?
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by kazuhooku | 2005-08-12 11:18 | 雑想
「イノベーションのジレンマ」とベンチャーの戦略 (または従業員のサル知恵)
 ベンチャー企業にとって役に立たない戦略論があるとしたら、まさに「イノベーションのジレンマ」がそれだと思う。「イノベーションのジレンマ」は、支配的企業が失敗しないためのアンチパターンであり、役に立たないどころか、ベンチャーが成功する可能性を狭めている注1

 数年前、TR100 に選ばれて M.I.T. に行ったとき、カンファレンスの基調講演が同書の著者、クリステンセン教授だった。
 当時の自分にとっては、とてもスマートでおもしろい講演だったのだが、今なら言いたい。

 「あんたのせいで、おれたちベンチャーは苦労してんだよ!」

 そんな私も、このたび上場企業のラボに参加することになりました。ようやく先生の理論を活かせる時が来たのです。
 これからは、上司にプロジェクトを提案する際、

 「これは破壊的イノベーションになる可能性があるから、やらないとダメです」

と主張しようと思います注2。先生、ありがとうございます。


注1: なので、たとえ跳箱さんで指摘されているような誤用をしていない場合でも、「イノベーションのジレンマ」を口にするようなベンチャーってどうなの、と思います
注2: 昨日のアレは、破壊的イノベーションになる可能性があると思います>社長 (笑)

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by kazuhooku | 2005-08-12 09:25 | 雑想
Web 2.0 (相互運用性) の抵抗勢力
 ブログの成功は、相互運用性注1によるところが大きい。トラックバックや RSS と言った技術は総体としての価値を向上させ、Rauru さんが指摘しているように、いまやその上に Technorati のような知性的なサービスまで出現している。

 しかし、同様のことが、他の分野でも成り立つとは限らない。

 コンテンツ分野においては、相互運用性を確保するにより総体としての価値を向上し、各プレイヤーの利得となるという正のフィードバックが存在する注2

 一方、実体物の商取引はゼロサムゲームである。そして、言うまでもないことかもしれないが、eコマース分野における相互運用性は、今日のプレイヤー多数の犠牲なくしては成立し得ないのではないか。

 Amazon の特許に示されているようなモデルの下では、ゲームはごく少数のマーケットプレイスと、多くの従属的なサプライヤーによって構成される。このような環境下では、利益はマーケットプレイスに集中する。独創的な商品を提供できるごく少数のサプライヤーを除けば、後は価格で勝負するしかない。また、流通業者は軒並み退場となる。マーケットプレイスも、世界で2~3社程度のグローバルプレイヤーに絞られるだろう。

 そのような生態系に実現可能性があるだろうか。Amazon、そして DELL のようなサプライヤーは、実現に向けて動くだろう (現に Amazon は動いている)。しかし、たとえ最終的にはeコマースの主流になるとしても、いろいろな抵抗があると、私は予測する。

 結論。XML API の公開があっさりと分野横断的なマジョリティにはなることはないのではないか。

 このような理由で私は、eコマース界の抵抗勢力たちと Yahoo! Widgets という (API をオープンにしなくてもよい) クライアント技術は相性がよいのではないか、などと考えるているわけである注3
もちろん、相互運用性を持つものは全てダメという話ではなくて、 RSS でキャンペーンの案内を流すといった使い方は大いにアリだと思う。しかし、商用サイトの更新情報をいくら分析したところで、eコマースのハブにはなれない。


注1: 「相互運用性」とはあいまいな表現だが、ここでは共通化かれた XML API による機械可読な情報交換、という意味で使っている
注2: この正のフィードバックが、成長市場という特性によるものか、著作物の特質なのかは気になるところ
注3: このような理由から、私は Yahoo! Widgets (のようなクローズドな XML API の可能性を持つ技術) と RSS (に代表される Web 2.0 の技術) を比較することが、「空虚なメタ理論」ではないと考えます

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by kazuhooku | 2005-08-10 18:34 | RSS & お気に入りナビ
Web フィード ≠ RSS / Atom
 Yahoo! Widgets の可能性とは何か。
 
 先のエントリ「テクノロジレイヤが異なれば競合しないのか?」に McDMaster さんがコメントくださったように、「RSS / XML のデリバティブを創り出す」という可能性なのである。

 ウェブサイトがユーザと連携 (Syndicate) していく手段は、 RSS / Atom に限られないし、限られるべきでもない。

 RSS / Atom は、元来、適用分野の広い技術ではない。ところが、ウェブサイトがクライアントを規定できない結果、皆が RSS / Atom の仕様に合わせなければならなくなっている注1。シャツがワンサイズしかない状態、とでも言えばいいだろうか。

  なんでもかんでも RSS / Atom に詰め込む、Yahoo! Widgets は、そんな風潮を見直すきっかけになるかもしれない。Yahoo! Widgets は、オーダーメイドのフィードを可能にするのである。

 相互運用性についての見解は、また書きます。

注1: そこまでして RSS にしたいか Simple List Extensions... みたいな話です

2005/08/09: 取消線段落を修正、注を追加しました
2005/08/10: 相互運用性についての見解は、こちら (Web 2.0 (相互運用性) の抵抗勢力)です。
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by kazuhooku | 2005-08-08 23:09 | RSS & お気に入りナビ